AIで普通の動画を3D動画に変換する
1日目
writen by みなっきー
午前7時30分。枕元でけたたましく鳴り響くケータイのアラームをオフにする。すでに今日3回目の作業だ。
「さすがに起きないと1限目に間に合わないな」
ボサボサの頭を撫でつけつつ、大あくびをかます。
ベッドから出るとグッと背伸びをする。カーテンを開けると朝日が部屋を満たし気持ちがいい。
うん、正にシナリオ通りだ。テーブルの上の財布を取り、学生証を確認する。
『峰海大学 理学部 広瀬隆一』
ここから俺の青春が始まる。大学入学を果たした今、コレがラストチャンスだ。
青春を満喫するために、もっとも大切な要素…。それは『彼女』!
18年間モテ期を待ったが一向に気配はない。これ以上待っていたら、青春が終わってしまいかねない。
これは積極的にいかないとダメだな―――――
ピピピピピピピピピピピピッッ
けたたましく電子音が鳴り響く。
不快なケータイのアラームを止める。
「………………ん?」
何故、俺は寝ている?さっき起きたばかりのはずだ。まさか………。
「二度寝!?」
何故あの状況で寝る!?
慌ててケータイで時間を確認する。8時45分。1限目が始まるのが9時。大学までの道のり、全力でチャリをこげば30分。
「………いける!」
青春真っ只中の俺に出来ないことはないのだ!
時間とか距離とか関係ないんだ!
俺は授業の邪魔にならないよう、静かに後ろ側の扉からそっと入り、空いている席へつく。さすがの俺でも時間の壁は崩せないよ。
さて、前で教授が意味のわからない宇宙言語を話しているが、そんなもの聞いている場合じゃない。大事な計画を立てるための貴重な時間なのだ。
俺はルーズリーフを一枚とり、書き込んだ。
『5日で彼女を作る計画』
案1。ナンパ。
1日で彼女を作ることも可能。あわよくば、ムハハな展開も起こりうる。しかし、長続きするか不安がある。第一ナンパする勇気はない。却下。
案2。合コン。
女の子も彼氏を欲してる場合が多く、気が合えばすぐにでも付き合える。ただし、大学でまだ仲のいい友達がいないので、いつになるかは分からない。自分から主催する気はない。却下。
案3。恐喝。
法的に却下。
案外難しいものだ。やはり時間制限が厳しいのか?いや、これくらいの条件じゃないと彼女なんて出来ない。
俺の充実した時間は、授業いっぱい使われた。何個か案はでたけど、どれもイマイチだ。2限目には何も授業がないので、図書館で作業を続行することにした。
この大学の図書館は、近所の市営図書館なんかよりずっと広くて、たくさんの本がある。全部で7階建てになっていて、各階ごとにジャンルで分かれている。俺は4階の経済・経営・倫理・心理学を扱うフロアで参考資料を探すことにする。
だが、『女にモテるための本』なんて置いているのだろうか。
俺は心理学の棚で一つ一つ見てみるが、量が多い。何百冊のうちに目的の本なんて数えるほどしかないだろう。ここはやはり司書さんに聞いてみるのが一番か。
だが、いきなり、「女にモテるための本はありますか?」なんて聞けば、俺は可哀相な人まっしぐらになりかねない。ここは遠まわしに聞かなければ。
ちょうど本を棚に戻している司書さんがいた。
「あの、すいません」
「はい」
「えっと、たくさんの蝶が集まる花になるための本ってありますか?」
「…はい?」
しまった。これでは遠まわしすぎたか。
「いえ、たくさんの蝶が集まる男になる本ってありますか?」
「……生物学の本なら6階ですが」
これじゃあ、ただの昆虫マニアじゃないか!あ、そんな目をしないで!違う誤解なんだ!
「失礼しました!」
俺は脱兎のごとく図書館から逃げ出した。お。俺って意外と足速くない?
「きゃっ!」
入口でドシン!と女の子にぶつかってしまった。女の子はバランスを崩してお尻から倒れてしまい、バラバラと本が落ちた。
「す、すいません!よそ見してたから。大丈夫ですか?」
などと言いつつ、ありがちな出会いのシチュエーションに胸を踊らせる俺。
「たたた…。はい、なんともないです」
「ほんとにゴメンナサイ!」
急いで女の子の落とした本を集める。
「すいません。ありがとうございます」
ここでようやく女の子と目があった。
「おォォォォォォ!」
可愛い!目がおっきくて、茶色の長い髪も綺麗だ!これは高得点か!?
「あの…」
「はッ!すいません!何でもないです!」
いかん、ここで焦ってはダメだ。話題を見つけるんだ!そしてゆっくり情報を聞き出す。
彼女が落とした本には経済学の字が見えた。コレだ。
「えっと、経済学部なんですか?」
「はい。経済学部の1年生です」
「あ、俺も1年なんだ。理学部」
「1年生だったんですか?てっきり先輩かと思っちゃいました」
「はははは、俺こそ」
よし!いい流れだ!ヤバい、青春ポイント急上昇!
「それにしても沢山読むんだね」
「はい。私本が大好きなんです。勉強がてら、こういう本も読んでみようかと思って」
彼女は嬉しそうに本を上げてみせた。
「俺は本ダメだね。眠くなっちゃうから」
「でも、図書館にいてるじゃないですか」
「これは、ちょっとね」
彼女つくるための本を探しにきたとは言えない。
「あ。俺広瀬隆一って言うんだ。よろしく」
「私は橘美咲です。よろしくお願いします」
よし、一気にたたみかける!
「メシまだなら、一緒にどう?せっかくだし」
「あの、私今日午前中で終わりで、これからちょっと用事あって帰らないといけないんです。ごめんなさい」
焦りすぎた!
「ごめんごめん。まだあんまし友達いなくてさ、昼どうするかなって」
「そうなんですか…。ならお付き合いしましょうか?」
なんて優しい子なんだ!だがここで話にのってはいけない。
「いや、悪いからいいよ。気をつけてね」
「はい、ありがとうございます」
よし、今のうちに好感度を上げておくんだ。あとでいろいろやりやすいように!
彼女はそれじゃあと言って、図書館をあとにした。
今、俺絶好調じゃね?
本当に5日で彼女できそうな気がしてきた。
「よし、メシでも食いにいくか」
無論、1人でである。
戻る
2日目へ(準備中...)
Copyright © 2008 hot-milk-tea All Rights Reserved.