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第14話
writen by アルト
「……元の世界に戻って来たのか…って、今何時だ!?」
時計を確認してみると丁度7時30分になったところだ。
「あれ?あっちの世界で結構な時間居たと思うんだけど………」
『トウゼンダ。アチラトコチラデハ、ジカンジクガ、チガウノダカラナ』
俺のつぶやきに答えるように頭の中に声が響いてきた。この感覚にも少しだけ慣れてきた。
「そ、そうなのか?まあいいや。とりあえず先生逹にあっちで教えてもらったこととか話さなきゃな…」

ドゴォォォォン!!!
「な、なんだ?」
驚いて窓の外を見ると、学校の方向から煙が上がっている。
煙は砂を巻き込んで、土色になっている。
「まさかもう魔物進行が始まっているのか?!」 『イヤ、マダスウジツノ、ユウヨガアルハズダガ………』
「とにかく、行ってみよう!」

「ハァ…ハァ、やっと着いたぁ」
学校のグラウンドには所々クレーターができており、校舎も硝子が割れ、穴や爆発の後がある。
「皆はまだ来てないみたいだな。避難したのか?」
『ジュンヤ、コウシャノオクカラ、オトガスル』
体育館のほうだ。
「行ってみるか」


「ニンゲンニシテハ、ナカナカヤルヨウデハアッタガ…コレデ、オワリダ」
真っ黒な鎧に身を包んだ魔物が空間の歪みから剣を取り出した。
「…私も喋る魔物と闘うのは初めてだよ」
そうは言ってみたものの、これはヤバいわね。
とてもこちらが有利とは言えない状況だし、ここまでの怪我を負うとは思わなかった。負けるわけにはいかないのに…。

バァァン!
扉が勢いよく開いた。
「先生!」
「上杉!お前戦えるのか?…こいつは今までの魔物とは違うぞ」
「はい。でも俺、今日は戦う為に来たから」
大量の光に包まれて戦闘体制に入る。
「ホォォ、キサマガ、ゼーテノケイヤクシャカ」
「な!?…グラスのことか!」
『ジュンヤ、コイツハ、バルバロスダ。サイキン チノウヲツケテキタ マモノノナカデモ イチバンツヨイ』
「ソウトワカレバ、ウエスギ、オマエカラシマツシテヤロウ!」
バルバロスという魔物は矛先をこちらに変更してきた。
『コイツハ ソウトウツヨイ。オチツイテ タタカエ』
「言われなくてもそのつもりっ」
バルバロスの懐に猛スピードで潜りこみ、顔面に一撃を入れた。
しかし、バルバロスは微動だにしない。
続けて攻撃を繰り出しても、あまり手応えがない。
「フッ…ソノテイドカ?ツギハ コチラノバンダ!」
バルバロスは持っていた剣を俺目がけて降り下ろす。
さっき家で聞いたのと似た音。だが今はそれに衝撃が伴って、身体に響く。剣は避けたものの、その衝撃で吹き飛んだ。背中を打ったせいか息が詰まるような痛さだ。
「ガァ…な、なんてバカ力なんだ!」
『ジュンヤ!マエヲ!!』
その瞬間再び剣は振り降ろされ、身体が衝撃に耐えきれなくなりそうだった。
「グァァァァ!」
ど、どうすれば………。
そのとき、ユリッチが呼んでいることに気付いた。
「上杉!私が時間をかせぐ!その間に体制を立て直せ!」
「でも、そんな身体じゃ………」
「伊達に先生やってないわよ!」
そう言いながらバルバロスに突っ込んでいった。今はこうしてもらう他無かった。ユリッチに任せたとは言っても休む時間はそれほどない。
せめて武器になるものがあれば……。
『ジュンヤ。マホウジンヲエガケ!』
「え?でも、どんな……」
『イメージハコチラカラオクル』
「ああ、わかった」
そう言われて、頭に映し出された魔方陣を空中に描く。
「これでいいか?」
『マホウジンニテヲイレロ』
「おう」
そろそろと手を入れると、コツンと指先に何かが当たった。
「ん?なんかあるぞ?」
『ソレヲヒキヌケ』
「こうか?…ウオッ!」
いびつな音を立てて出てきたのは炎を纏った剣だった。結構な重さがある。
『マケン、レェーバテインダ』
「魔剣レェーバテイン………これでやつに!」
『イクゾ』
「ああ!」


ズドォォォン!!
「ちっ!」
正直言ってあそこまで上杉が戦えるとは思ってなかった。おかげで少し身体は楽になったが、この調子で戦い続けても負けるのは時間の問題だ。
せめて上杉が回復するまでは…!
そう思った矢先、足の力が一気に抜け体制を崩してしまった。
「コレデ、オワリダ!」
あたしは、思わず目を閉じた。
キィンという剣の音がして、恐る恐る目を開けると、人の姿があった。
「…上杉!」
「お待たせっ……と」
ユリッチをかばうようにバルバロスの剣をレェーバテインで受け止めそのまま弾きかえした。
「先生、まだ大丈夫か?」
「…あたりまえだ!」
それと同時に立ち上がった。
「さて、ここからが本番と言いたいとこだが一撃で決めさせてもらうぞ」
バルバロスと向き直る。
そして、レェーバテインに魔力を込める。

音を立てて剣の炎が一段と燃え上がる。
「いくぜ!クリムゾンデスフレアァァァ!!!」
炎が龍の姿に変わりバルバロスに襲いかかった。
「グオォォォォォォ!!!」
身体を掻きむしるように悶えている。バルバロスの身体からこげた臭いが広がっていく。
「これで!」
「ハアッハアッ………サスガニ イマノイチゲキハキイタゾ…ッ」
「倒しそこねたか!……っ」
ダメージを与えた分、こちらも魔力をかなり消費してしまったようだ。
「カルク ヒネリツブスキダッタガ ココマデヤルトハナ………イッタン、ヒカセテモラオウ」
「ま、待て!」
「フン、フツカゴニ、コチラノ セカイニ ソウコウゲキヲ サセテモラウ。ソレマデニ セイゼイアガクコトダナ。」
そう言ってバルバロスはスゥっと消え、残ったのは殆ど無傷の状態の女生徒の姿だけだった。
生徒はそのまま倒れてしまった。




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